海外で暮らすことが決まったら、気持ちはその先の暮らしに飛んでしまいがち。しかし、国内での引っ越しとは準備することが全て違うと思っておきましょう。今回は、移住先での生活をスムーズにスタートさせるために、知っておくべき5つのポイントをご紹介します。

まず1つめは荷物の輸送です。スーツケース1つで単身海外に移住するなら別ですが、家具や家電などの荷物は、安価な船便で輸送するのが一般的です。国内の引越しならどんなに遠方でも翌日には荷物が届きますが、船便では約1カ月かかります。

航空便は約2週間で到着しますが、その分費用がかかるため、船便で輸送するものと航空便で早めに受け取りたいものを、仕分けしておく必要があります。また、日本では荷物を丁寧に扱いますが、海外では荒っぽい扱いをする業者もありますので、梱包はしっかりしておきましょう。

次に注意したいのが、持っていく荷物の内容です。持ち込むものが多いほど輸送費は高くなりますので、取捨選択が必要になります。また、移住先が治安の良い国とは限らないので、盗難や紛失、破損の恐れがあることを考慮した上で、持ち込むものを決めることが大切です。

また、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、現地で調達した方がいいでしょう。輸送費を考えると、多少高くても移住先で買った方が安く、変圧器を用意する必要もありません。

3つめは、健康診断を受けておくということです。病気があって移住後すぐに治療することになると、病院を探したりするのも大変です。事前に病気が分かれば、日本で治療した方が安心です。また、病気がなくても、健康診断書を英訳してもらっておくと便利です。

また、歯の治療も済ませておいた方がいいでしょう。日本で歯の治療をする場合は、保健が適用される範囲なら3割負担で済みますが、国によっては非常に高い治療費がかかることもあり、保健も適用されない場合もあります。

4つめに準備しておきたいものは市販の薬です。海外の医薬品と日本の医薬品は成分が違う場合があります。海外で普通に使用されている薬でも日本では未許可のものがあるため、効果や刺激が強すぎて日本人には合わない場合があるのです。

使い慣れた常備薬がある場合は、日本から持っていくようにしましょう。ただし、医薬品や化粧品は一度に持ち込める量を制限されているので、大量に持ち込まず、必要な場合は知人に送ってもらうようにしましょう。

最後に、ペットを飼っている人が注意したいポイントです。最近は一人暮らしでもペットを飼っている人が多く、一緒に連れて行きたいと考えている場合もあるでしょう。

ペットを海外に連れて行く場合は、動物検疫が必要です。動物検疫所に連絡後、出国前に輸出検疫の検査を受けなければなりません。入国する国によって提出する書類が異なります。書類に不備があると、ペットが長期間係留される場合があるので、必ず事前に動物検疫所への確認を行っておきましょう。

海外では、日本の常識が通用しないことが多いです。時間も手間もかかるので、余裕を持ったスケジュールを立てて準備しましょう。