現代では、都会の子育てにストレスを感じている母親が多くなっています。子どもが外で安全に遊べる場所は公園だけ。公園遊びの付き添いではじまる親同士の人間関係、幼稚園受験や小学校受験、住環境の安全面など悩みは尽きません。

父親は残業で夜遅くにならないと帰ってこない。近くに相談できる人もなく、一人で考え込んで子育てに煮詰まってしまう母親は少なくありません。

子どもを豊かな自然の中でのびのび成長させたい、子どもと過ごす時間を大切にしたいという理由から、ファミリーで田舎に移住したいと考える人が増えています。

喘息やアトピーなどの疾患を持つ子どものために、田舎への移住を決める人も少なくありません。今回は、ファミリーで移住した場合のメリットや、注意したいポイントについてご紹介します。

田舎の生活でたいせつなのは、大人も子どもと一緒に楽しむことです。都会では公園で遊ぶ子どもたちを見ていなければなりませんが、水と緑が豊かな田舎では、費用をかけなくても、自然の中で気軽に子どもたちと遊べる場所があります。親も子どもと一緒に楽しむ環境があることに魅力を感じる人が多いようです。

また、自分たちで無農薬野菜を育てれば、食の安全も守れて、必要以上に神経質になることもありません。いずれにしても親が精神的に安定していれば、子どもはそれを察知して、安心してのびのび育っていくことでしょう。

ファミリーでの移住は、将来的に子どもの教育問題も大きなポジションを占めてきます。「子どもが少ないから友達ができるか心配」と思う人もいるかもしれません。確かに田舎は高齢者が多いし子どもの数が少ないのが現状です。しかし逆にいえば、少人数だからこそ一人ひとりに行き届いた教育が可能だということです。

小学校の父兄参観、学芸会、運動会などの行事には、積極的に参加することが大切です。先生や地元の親とのコミュニケーションを深めておきましょう。子育ては地域のみんなで助け合うという意識が残っている地域もありますので、お互い顔見知りになれば、地域全体が子育てを援助してくれます。

田舎は幼稚園や保育園、小学校などの通園・通学距離が遠い地域もあるので、送迎バスの有無など教育環境を考えて住まいを決める必要があります。また、子どもは突然病気になったりするので、夜間救急診療などを受けられる医療機関を調べておくことも大切です。

自然の中でのびのび育ってほしいけど、将来を考えると学力も身につけてほしいというのが親の気持ち。中学や高校への進学を控える子どもたちと一緒の移住では、パートナーだけでなく、子どもたちの理解を得て移住計画立てることが大切になってきます。移住を決める前に、進路についても子どもたちと話し合っておきましょう。

不登校やいじめなどが原因で、子どものために移住する家族も少なくありません。そんな子どもたちにとって、移住が全てを解決するものではありませんが、自然に囲まれた穏やかな生活の中で自分を見つめ直し、新たな価値や自分の道を見つけるきっかけになるかもしれません。