シニア層が海外に移住する場合、安心して暮らすためには物価が安く、気候、治安、医療制度が整っていることは外せない条件です。物価が安くて治安の良い国は、定年して現金収入が減ったシニアでも余裕を持って暮らすことができます。

また気候が良く、医療機関が発達した国は、健康上の不安を抱えるシニアにとって暮らしやすい場所と言えるでしょう。危機意識が低く、事件に巻き込まれやすい日本人は治安の良い国を選ぶことも大切です。

現在、アジア、オセアニア、南米、ヨーロッパなど40カ国以上で取得できる、年金生活者を対象とした「リタイアメント永住権」を採用している国も、シニアにとっては移住しやすい国です。今回は、シニアに人気の国とまちをご紹介します。

暖かい気候と物価の安さが魅力のアジアは、近年移住先として人気です。特に海に囲まれたマレーシアは、リゾートアイランドやジャングル地帯などの美しい自然と、クアラルンプールに代表される近代的なまちが融合した住みやすい国です。シニア層だけでなく若者にも人気の、日本人が住みたい国人気No.1です。

マレーシアは物価が日本の3分の1程度で、治安も良く凶悪な犯罪も発生していません。物価、治安、気候の条件が良いので、シニア層が安心してリゾートライフを満喫できる国です。

同じく東南アジアでおすすめなのが、フィリピンとタイです。フィリピンは、近年飛躍的な成長を遂げており、貧困層が多く治安が悪いという従来のイメージはなくなりつつあります。

美しい海がダイバー達を魅了するセブ島も人気で、観光や語学留学、移住をする人が増えています。また、フィリピンは35歳から取得できるリタイアメント永住権を採用しており、その中でもハードルが低いため興味を持つ人が多いようです。

急速に発展したタイの首都バンコクは、交通の便がよく日本と変わらない程の近代的なまちです。日本の企業が数多く進出しており、日本製品や日本食の購入に困ることもありません。

また、都市部の私立病院は日本語での診察が可能なところが多く、医療制度も整っているため、海外の医療機関に不安を感じているシニアも安心して暮らせます。

アジア以外で最も人気が高い移住先がカナダです。1年を通して温暖な気候のアジアと違い、厳しい冬を迎えるカナダですが、ロッキー山脈やナイアガラの滝を代表とする圧倒的な自然に魅力を感じる人は多いようです。

カナダは医療先進国であり、交通機関、公道、ショッピングモールなど、公共の場所にバリアフリーを取り入れた国でもあります。そのため障害者や高齢者などが生活しやすい環境になっています。

また、アジアや南米からの移住者も積極的に受け入れているため、国籍や人種による差別も少ないです。トロントやバンクーバーなどの都市部には日本食レストランもあり、シニアにも住みやすいまちです。

移住先に何を求めるか、どういった生活を送りたいかで移住先は変わってきます。しかし、最終的に「移住してよかった」と思えることが一番です。