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知らないと損をする!自治体は移住者の強力なサポーター

都会への人口流出で、地方の人口減少や高齢化は著しく進行し、過疎化の問題も深刻化しています。その一方で、大都会での暮らしに疲弊し、地方で自分らしく生活したいという人が増えているのも事実です。

Uターン、Iターンに加えて、近年ではJターンという言葉があるのをご存知でしょうか?Jターンとは、地方から大都市へ移住した人が、故郷の近くの中規模都市に戻って定住することです。国や自治体は、このような地方への移住者を支援するためにさまざまな施策を実施しています。今回は、国や自治体の移住支援についてご紹介します。

移住先の住居をサポートしてくれる自治体は数多くあります。過疎や高齢化によって人口が激減している地域では、住人のいなくなった空き家が放置され、防犯・安全面から自治体の悩みの種になっています。

このような空き家を紹介・斡旋して、「空き家バンク」として活用している自治体も増えています。また、格安な町営住宅を建築して居住者を募集していたり、賃貸住宅に入居した新婚世帯への家賃助成金や、中古住宅のリフォーム助成金が受けられる自治体もあります。

小さな子どもを持つファミリーに嬉しい、子育て支援をしている自治体も多くあります。高齢化が進んでいる地方では、子どもを持つヤングファミリーの移住は歓迎されます。子育てしやすい環境をつくることで、次世代世帯の定住化を確保したいというのが本音です。

乳幼児や児童の医療費免除、保育料や学費の支援などは都市部の自治体でも行っていますが、地方の子育て支援では、小学校入学祝いや出産祝いなどに多額の支給を行っているところもあります。移住先での出産や子育てを考えている場合は、このような支援制度を行っている自治体を探してみましょう。

自治体は移住希望者の就業についても幅広くサポートしています。地方の一般就職情報の提供や、農業や地場産業に就業するための訓練支援を行っているところ、新規就農者への助成金・支援金を支給する自治体もあります。また地方で起業する人には、補助金が支給されたり、無利子・無担保で融資が受けられるなど、積極的な支援を行っています。

厚生労働省が行っている「地域再生中小企業創業助成金」は、人口減少によって経営規模が縮小し、雇用維持が困難な全国21の県で実施されている事業で、2人以上の雇用で、1人あたり30万〜60万円の助成金が支給されます。新規事業を立ち上げる場合は、労働者5人以上で最高500万円の助成金を受けることができます。

その他に国が行っている支援には、最大で年間200万円の報酬と150万円の活動費が支給される、総務省推進の「地域おこし協力隊」や、農林水産省が主導する「田舎で働き隊」などがあり、地方の活性化を推進しています。

国や地方自治体は、地域と移住者の交流をバックアップしてくれる強い味方です。移住したい地域を決めたら、自治体のホームページを調べて、支援やサポートを活用しましょう。

自然の中で暮らそう!家族向けの移住しやすいまちの条件

現代では、都会の子育てにストレスを感じている母親が多くなっています。子どもが外で安全に遊べる場所は公園だけ。公園遊びの付き添いではじまる親同士の人間関係、幼稚園受験や小学校受験、住環境の安全面など悩みは尽きません。

父親は残業で夜遅くにならないと帰ってこない。近くに相談できる人もなく、一人で考え込んで子育てに煮詰まってしまう母親は少なくありません。

子どもを豊かな自然の中でのびのび成長させたい、子どもと過ごす時間を大切にしたいという理由から、ファミリーで田舎に移住したいと考える人が増えています。

喘息やアトピーなどの疾患を持つ子どものために、田舎への移住を決める人も少なくありません。今回は、ファミリーで移住した場合のメリットや、注意したいポイントについてご紹介します。

田舎の生活でたいせつなのは、大人も子どもと一緒に楽しむことです。都会では公園で遊ぶ子どもたちを見ていなければなりませんが、水と緑が豊かな田舎では、費用をかけなくても、自然の中で気軽に子どもたちと遊べる場所があります。親も子どもと一緒に楽しむ環境があることに魅力を感じる人が多いようです。

また、自分たちで無農薬野菜を育てれば、食の安全も守れて、必要以上に神経質になることもありません。いずれにしても親が精神的に安定していれば、子どもはそれを察知して、安心してのびのび育っていくことでしょう。

ファミリーでの移住は、将来的に子どもの教育問題も大きなポジションを占めてきます。「子どもが少ないから友達ができるか心配」と思う人もいるかもしれません。確かに田舎は高齢者が多いし子どもの数が少ないのが現状です。しかし逆にいえば、少人数だからこそ一人ひとりに行き届いた教育が可能だということです。

小学校の父兄参観、学芸会、運動会などの行事には、積極的に参加することが大切です。先生や地元の親とのコミュニケーションを深めておきましょう。子育ては地域のみんなで助け合うという意識が残っている地域もありますので、お互い顔見知りになれば、地域全体が子育てを援助してくれます。

田舎は幼稚園や保育園、小学校などの通園・通学距離が遠い地域もあるので、送迎バスの有無など教育環境を考えて住まいを決める必要があります。また、子どもは突然病気になったりするので、夜間救急診療などを受けられる医療機関を調べておくことも大切です。

自然の中でのびのび育ってほしいけど、将来を考えると学力も身につけてほしいというのが親の気持ち。中学や高校への進学を控える子どもたちと一緒の移住では、パートナーだけでなく、子どもたちの理解を得て移住計画立てることが大切になってきます。移住を決める前に、進路についても子どもたちと話し合っておきましょう。

不登校やいじめなどが原因で、子どものために移住する家族も少なくありません。そんな子どもたちにとって、移住が全てを解決するものではありませんが、自然に囲まれた穏やかな生活の中で自分を見つめ直し、新たな価値や自分の道を見つけるきっかけになるかもしれません。

なぜ人気?日本人が住みたい国に選ぶマレーシアの魅力とは?

若者からシニア層まで、幅広い年代の日本人が住みたい国に選ぶマレーシア。ある調査では、ハワイやカナダなど人気の地域を抑えて、9年連続日本人が住みたい国No.1に選ばれています。

また日本人の、マレーシア長期滞在ビザの取得者数も増加しています。今回は、なぜマレーシアが人気なのか、移住の目的は何か、移住先としてのマレーシアの魅力をご紹介したいと思います。

日本の社会では今、回復しない景気、雇用の縮小、増税、年金問題、少子高齢化など、解決の見込みが見えない問題が山積しています。さらに大震災や火山の噴火など、災害の不安も少なくありません。

若者は活躍できる場所、あるいは自分らしく生きられる場所を求めて日本を脱出したいと考える人が増えており、シニア層は資産を活用した投資目的や、豊かな老後のために海外移住を検討している人も少なくありません。マレーシアはそんな人たちにとって、とても魅力的な国だと言えるでしょう。

マレーシアが選ばれる主な理由として、日本人移住者が増えていること、物価が安いこと、治安が良いことが挙げられます。マレーシアは親日家の多い穏やかな国民性で、主要都市の病院やデパートでは日本語で対応してくれるところもあります。

日本系企業も数多く進出していることから、他の国に比べると日本人が就労しやすく、就労ビザも簡単に取得できます。また日本人移住者が暮らしている地域が都市部に集中しているため、日本人の知人や友人ができやすいことも魅力的な一面です。

物価は日本の約3分の1と安いため、プール付きの一軒家に住むことも夢ではありません。もっとお得に生活したいなら、マレーシア第2の都市ジョホールバルがおすすめです。ジョホールバルはシンガポールに隣接しているため、賃金の高いシンガポールで働き、物価の安いマレーシアで生活することができます。

さらに、マレーシアには世界的に有名な格安航空会社があり、日本に比べて低価格で海外旅行に行けるため、マレーシアを拠点にアジアやヨーロッパ旅行を楽しむこともできます。旅行好きにはたまらない魅力でしょう。

資産を持っているシニア層にとっても、物価の安さは魅力的です。投資を目的に不動産を所有したり、節税対策のために移住したりする人もいます。マレーシアには住民税、相続税、贈与税などがないため、日本に比べて節税できるというメリットがあるからです。

また、東南アジアの中でも治安が良い国として知られているマレーシアは、日本よりも犯罪発生率が低く、凶悪犯罪に巻き込まれるケースもほとんどありません。安全に暮らせるということも日本人に人気の要因です。

東日本大震災以降、セカンドハウスや別荘として現地の不動産を購入する日本人が増えています。財政破綻、大震災、原発事故による放射の汚染など、日本でのリスクが悪化した場合の脱出先として、美しい自然に囲まれ、安心して豊かに暮らせるマレーシアに魅力を感じる人が多いのです。

シニアにおすすめ!老後に移住したい海外で人気の国とまち

シニア層が海外に移住する場合、安心して暮らすためには物価が安く、気候、治安、医療制度が整っていることは外せない条件です。物価が安くて治安の良い国は、定年して現金収入が減ったシニアでも余裕を持って暮らすことができます。

また気候が良く、医療機関が発達した国は、健康上の不安を抱えるシニアにとって暮らしやすい場所と言えるでしょう。危機意識が低く、事件に巻き込まれやすい日本人は治安の良い国を選ぶことも大切です。

現在、アジア、オセアニア、南米、ヨーロッパなど40カ国以上で取得できる、年金生活者を対象とした「リタイアメント永住権」を採用している国も、シニアにとっては移住しやすい国です。今回は、シニアに人気の国とまちをご紹介します。

暖かい気候と物価の安さが魅力のアジアは、近年移住先として人気です。特に海に囲まれたマレーシアは、リゾートアイランドやジャングル地帯などの美しい自然と、クアラルンプールに代表される近代的なまちが融合した住みやすい国です。シニア層だけでなく若者にも人気の、日本人が住みたい国人気No.1です。

マレーシアは物価が日本の3分の1程度で、治安も良く凶悪な犯罪も発生していません。物価、治安、気候の条件が良いので、シニア層が安心してリゾートライフを満喫できる国です。

同じく東南アジアでおすすめなのが、フィリピンとタイです。フィリピンは、近年飛躍的な成長を遂げており、貧困層が多く治安が悪いという従来のイメージはなくなりつつあります。

美しい海がダイバー達を魅了するセブ島も人気で、観光や語学留学、移住をする人が増えています。また、フィリピンは35歳から取得できるリタイアメント永住権を採用しており、その中でもハードルが低いため興味を持つ人が多いようです。

急速に発展したタイの首都バンコクは、交通の便がよく日本と変わらない程の近代的なまちです。日本の企業が数多く進出しており、日本製品や日本食の購入に困ることもありません。

また、都市部の私立病院は日本語での診察が可能なところが多く、医療制度も整っているため、海外の医療機関に不安を感じているシニアも安心して暮らせます。

アジア以外で最も人気が高い移住先がカナダです。1年を通して温暖な気候のアジアと違い、厳しい冬を迎えるカナダですが、ロッキー山脈やナイアガラの滝を代表とする圧倒的な自然に魅力を感じる人は多いようです。

カナダは医療先進国であり、交通機関、公道、ショッピングモールなど、公共の場所にバリアフリーを取り入れた国でもあります。そのため障害者や高齢者などが生活しやすい環境になっています。

また、アジアや南米からの移住者も積極的に受け入れているため、国籍や人種による差別も少ないです。トロントやバンクーバーなどの都市部には日本食レストランもあり、シニアにも住みやすいまちです。

移住先に何を求めるか、どういった生活を送りたいかで移住先は変わってきます。しかし、最終的に「移住してよかった」と思えることが一番です。

こんなはずじゃ…定年後に田舎で暮らすメリット・デメリット

以前の回で、定年後に田舎で暮らすための知っておくべきポイントについてお話しましたが、今回はもう少し掘り下げて、田舎暮らしのメリットとデメリットをご紹介します。自分が田舎暮らしに適しているか、移住の検討材料にしてみてください。

メリットの1つめは、やはり季節を感じながら、暮らすことができることができるということです。都会では忙しさもあって、季節を感じることが少なかったのではないでしょうか?しかし田舎では、毎日が豊かな自然とのふれあいです。

春に咲く可愛らしい花や木々の芽ぶき、夏の高い空や積乱雲、色鮮やかな秋の紅葉など、懐かしい気持ちとともに、人間本来の営みを思い出させてくれます。

2つめのメリットは、野菜や果物が美味しいことです。水や空気がきれいなため、新鮮な野菜はびっくりするほど美味しく、都会で食べていたものとは別物のように感じます。

近隣の農家の人と親しくなると、採れたての野菜を分けてくれたり、精米したての新米を安く売ってくれたりします。それがきっかけで地元の人々とのふれあいも円滑になってきます。

3つめは土地が安いことです。東京では夢のマイホームも、田舎では実現できる可能性があります。あるいは、若いころに建てた家と違い、夫婦2人の老後の生活を考えた、使い勝手の良い家を建てることもできます。時間はたくさんあるのですから、夫婦で楽しみながら計画するのもいいでしょう。

デメリットとして、まず挙げられるのが生活の不便さです。田舎は全てにおいて、都会ほどインフラが整っていません。コンビニやスーパーなど日常生活に必要な施設が少なく、病院や市役所に行くのも半日がかりなんてことは少なくありません。

意外と盲点なのが金融機関の少なさです。都会で暮らしていた人は、多くがメガバンクを利用しています。しかし田舎には金融機関が少なく、メガバンクの支店どころかATMさえない地域もあります。退職金の運用や年金の受取を考えると、地元銀行やゆうちょ、農協に口座を開設するしかありません。

地方ならではのルールもデメリットの1つだと感じる人もいるでしょう。地方ではごみ分別が都会より厳しく、ゴミ袋に氏名と地域名を記入しなければならないところもあります。

そのうえ違法投棄を防止するために、見張り役としてゴミ置き場に立つという当番まで回ってきます。都会と違うローカルルールに、煩わしい気持ちになることもあるでしょう。

都会に住んでいても同じですが、不便な田舎では介護の問題を考えておくことも大切です。
車が必需品の田舎の生活で動けなくなったり運転できなくなったりしたら、パートナーは生活が困難になってしまいます。

いかがですか?夢の田舎暮らしを実現するには、楽しいことばかりではありません。自分が本当に向いているか見極めることが大切です。とは言え「住めば都」の言葉通り、慣れれば馴染んでくるものです。デメリットばかりくよくよ考えず、自分らしいシニアライフを満喫しましょう。

後悔しないために!定年後の移住で考えるべき3つのポイント

近年、退職後田舎でゆっくり暮らしたいという中高年が増えています。雑誌やテレビでも特集が組まれ、目にすることが多いと思います。しかし、実際の田舎暮らしは良いことばかりではなく、耐えきれなくなって都会に戻ってくる人も少なくありません。

大切な貯蓄をつぎ込んで無駄にしないために、十分な知識と準備が必要です。今回は、定年後の移住で失敗しないために考えておくべき3つのポイントをご紹介します。

まず、第一に考えるべきことが現金収入の方法です。働かなくても余生を過ごせる貯蓄や、十分な年金がある人は別ですが、田舎は現金収入が非常に困難な環境です。農業をしたとしても、販売ルートや組合があるため、勝手に現金化することはできません。

土地が安く、一軒家を購入するのは難しくないので、都会のように住居費にお金がかかることは少ないと思いますが、光熱費などは都会よりむしろ高いくらいです。その他、町会費や共益費などの出費も多く、物価も決して安いわけではありません。

また、交通機関の発達した都会では、必要のなかった車も田舎では必需品です。車の維持費やガソリン代など、今まで必要のなかった出費が重なります。気が付いたら、貯蓄を崩しながら生活することになるかもしれません。自分に合った方法で、現金を得る仕事を考えておくと安心です。

次に考えておきたいことは病院の問題です。中高年には健康上の不安を抱える人が少なくないと思います。今まで丈夫で元気だったとしても、いつ病気になるかわかりません。都会では、近くに総合病院が数多くあり最新の医療を受けられますが、田舎では病院自体の数が少なく、住居から遠く離れている場合もあります。

持病のある人などは、いざという時のために、かかりつけの医師に紹介してもらったり、自分の病気を診てもらえる病院を探したりしておきましょう。

田舎暮らしで一番我慢できないのが、人間関係だと言われています。長年会社や都会のルールで生きてきた中高年の人は、なかなかローカルルールに馴染めないというのが原因です。

田舎は都会と違い、地域の人間とのつながりが深いです。時には不快に感じてしまうほど干渉されたり、地元ルールを押し付けてきたりする場合もあります。でも地元の人にとってはそれが当たり前。そうやって暮らしてきたので何の悪意もないのです。

逆に、家の周りに人が少なくて、夜になったら真っ暗。知人もいないため外出しなくなる人も多いようです。家に閉じこもってしまうと老けこみます。これでは、何のためのスローライフかわかりません。

こんなことにならないように、不動産屋だけで決めずに自分で足を運んだり、滞在型地域体験プログラムなどを利用したりして、地元の人々とコミュニケーションを図ってから移住先を決めましょう。

夢に見た田舎暮らしに失敗して、結局子どもや親族に迷惑をかけることにならないよう、
しっかり事前に調査して、自分らしい生活ができるように準備することが大切です。

夢の海外暮らし!始める前に知っておくべき5つの法則とは?

海外で暮らすことが決まったら、気持ちはその先の暮らしに飛んでしまいがち。しかし、国内での引っ越しとは準備することが全て違うと思っておきましょう。今回は、移住先での生活をスムーズにスタートさせるために、知っておくべき5つのポイントをご紹介します。

まず1つめは荷物の輸送です。スーツケース1つで単身海外に移住するなら別ですが、家具や家電などの荷物は、安価な船便で輸送するのが一般的です。国内の引越しならどんなに遠方でも翌日には荷物が届きますが、船便では約1カ月かかります。

航空便は約2週間で到着しますが、その分費用がかかるため、船便で輸送するものと航空便で早めに受け取りたいものを、仕分けしておく必要があります。また、日本では荷物を丁寧に扱いますが、海外では荒っぽい扱いをする業者もありますので、梱包はしっかりしておきましょう。

次に注意したいのが、持っていく荷物の内容です。持ち込むものが多いほど輸送費は高くなりますので、取捨選択が必要になります。また、移住先が治安の良い国とは限らないので、盗難や紛失、破損の恐れがあることを考慮した上で、持ち込むものを決めることが大切です。

また、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、現地で調達した方がいいでしょう。輸送費を考えると、多少高くても移住先で買った方が安く、変圧器を用意する必要もありません。

3つめは、健康診断を受けておくということです。病気があって移住後すぐに治療することになると、病院を探したりするのも大変です。事前に病気が分かれば、日本で治療した方が安心です。また、病気がなくても、健康診断書を英訳してもらっておくと便利です。

また、歯の治療も済ませておいた方がいいでしょう。日本で歯の治療をする場合は、保健が適用される範囲なら3割負担で済みますが、国によっては非常に高い治療費がかかることもあり、保健も適用されない場合もあります。

4つめに準備しておきたいものは市販の薬です。海外の医薬品と日本の医薬品は成分が違う場合があります。海外で普通に使用されている薬でも日本では未許可のものがあるため、効果や刺激が強すぎて日本人には合わない場合があるのです。

使い慣れた常備薬がある場合は、日本から持っていくようにしましょう。ただし、医薬品や化粧品は一度に持ち込める量を制限されているので、大量に持ち込まず、必要な場合は知人に送ってもらうようにしましょう。

最後に、ペットを飼っている人が注意したいポイントです。最近は一人暮らしでもペットを飼っている人が多く、一緒に連れて行きたいと考えている場合もあるでしょう。

ペットを海外に連れて行く場合は、動物検疫が必要です。動物検疫所に連絡後、出国前に輸出検疫の検査を受けなければなりません。入国する国によって提出する書類が異なります。書類に不備があると、ペットが長期間係留される場合があるので、必ず事前に動物検疫所への確認を行っておきましょう。

海外では、日本の常識が通用しないことが多いです。時間も手間もかかるので、余裕を持ったスケジュールを立てて準備しましょう。

どこに住みたい?失敗しない移住先の選び方のポイントとは?

移住を考える際、一番悩むのが「どこに住むか?」ということでしょう。移住プランで大切なことは、目的を実現できる場所を選択することです。移住する目的がはっきりしていれば、住みたい場所は決まってきます。

農業がやってみたい人、豊かな自然環境で子育てをしたい人、定年後は夫婦で静かな生活を送りたいという人など、人によって移住の目的はさまざまですが、移住先の選択肢はいくつかあり、その選択が移住の成功を左右することになるでしょう。今回は、移住の目的やスタイルによる移住先の選び方について紹介したいと思います。

農業をやりたい、オーガニックな材料を使ったパン屋を開業したいなど、「夢の実現」が目的の場合、場所に対するこだわりはあまりないかもしれません。しかし、やりたいことの実現に向けて情報を集めるうちに、最適な移住先の候補は絞られてきます。

農業をやるにしても、育てる作物や就農スタイルによって、移住先に必要な条件は違ってきます。何カ所が現地に行ってみたり、自治体の支援情報を集めたりして、希望条件に合った土地を探してみましょう。たまたま農業体験をした土地で自分の目指す農業ができるのであれば、その場所で始めるのもいいかもしれません。

「夢の実現」が目的の移住は仕事と結びついていることが多く、移住先の生活の糧が確保されるため、成功につながることが多いと言えるでしょう。

「ずっと沖縄の海に憧れていた」「雄大な北海道の大地に住みたい」など、山や海など特定の場所に「ここに住みたい」という気持ちが強く、その場所に住むこと自体が移住の目的の場合は、その地で生活を支える仕事を見つけることが重要になってきます。

WEBデザイナー、カメラマンなどのクリエイティブ関連の職種や、医師、看護師、介護士など、資格があれば住む場所を選ばない職業の人は、比較的実現が簡単でしょう。そのような職業を持っていない人は、仕事をどうやって見つけるかが、移住実現へのハードルになってきます。

慌ただしく忙しい都会の生活を続けることに疑問を持ち、「自分らしい生き方って何だろう…」と理想のライフスタイルを模索し続けるうちに移住に行き着くケースもあります。

プライベートな時間が少ない会社員を辞めてフリーランスになる、都会では土地代が高くて実現できない店を持つ夢を地方でかなえる、子どもとの時間を大切にするために地方で仕事を探すなど、自分らしい生き方を実現する手段として、結果的に移住に至ったという場合です。

このケースの移住先は、全く縁もゆかりもない場所ではなく、自分やパートナーの実家がある地域などが多いようです。知人や友人の存在が移住先を決めるきっかけになることもあります。

いずれの場合でも、移住先を選ぶには目的をはっきりさせることが成功への第一歩です。慣れ親しんだ生活を変えるには、かなりの覚悟が必要です。

仕事のこと、家族のこと、友人のこと、自分の人生を全て変える決心が必要なのです。憧れだけでなんとなく移住すると、どんな場所でも失敗する可能性が大きくなるでしょう。

何から始める?移住を成功に導く3つの重要なステップとは?

移住はその後の人生を左右する大きな決断です。思いつきと勢いだけで始めると残念な結果になることもあります。なるべく多くの情報を入手して、具体的な移住計画をイメージすることが大切です。今回は、移住を成功に導く3つのステップについてご説明します。

一番始めのステップとして考えたいことは、「移住の目的をはっきりさせる」ということです。水と空気のきれいな信州の山里でパン屋を開きたい、旅行で行った大好きなケアンズの海の近くで暮らしたい、のどかな里山風景が残る田舎でのんびり暮らしたい、など夢や憧れから移住を始めてもいいと思います。

しかし、移住に限らず新しいことを始める場合には、障害はつきものです。住まい探し、仕事、地域の人々との人間関係など、移住してから思いもよらない問題に巻き込まれることだってあります。その壁を乗り越えて移住を成功させるには、「移住の目的」がブレないことと強い意志が必要なのです。

自分がやりたい移住の目的や生活スタイルが固まってきたら、次のステップでは「移住の意思を家族やパートナーに話して理解を得る」ことが大切です。

自分らしく幸せに生きるために移住するのですから、人生を共に歩むパートナーや家族の同意は欠かせません。理解が得られれば、新しい生活を一緒に気付いていく協力者になってくれることでしょう。

特に、子どもがいる家族揃っての移住の場合は、学校の問題もあるので事前によく調べて、家族と話し合うことが必要です。同意を得られないまま無理な計画を実行すると、幸せに暮らすどころか、家族崩壊の危機につながりかねません。

移住をするにあたって一番のネックが生活費です。慎重に考えるべき3つめのステップは「仕事を確保する」ということです。移住先の地方で再就職先を見つけるのは、想像以上に難しいと思っておいた方がいいでしょう。「仕事の確保」は、移住の成功を左右する最も大きなポイントです。

今の仕事を続けながら移住をする、新しく起業する、農業に就いて自給自足の生活をする、など、考え方はいろいろありますが、自分が実現できる選択することが重要です。

海外移住の場合、自分が考える理想の収入を得るには、語学力、学歴、経歴などかなり高いレベルのスキルを要求されます。また、国や地域によって貨幣価値は異なるので、日本では考えられない安い賃金で働かなければならない場合もあります。

生活費がなくなったらその国にはいられません。日本に帰る家があろうとなかろうと、帰国するしかありません。住み始めてから探せばいい、どんな仕事でも構わない、そんな甘い考えは失敗のもとです。

新しいライフスタイルを求めて移住を決めたのに、移住前より生活が苦しくなったり、人間関係で悩むことが多くなったりしたら、移住をしないで旅行した方がマシです。移住を成功に導くには実行力も必要ですが、様々な問題を想定した万全の準備と、余裕を持った蓄えが大切になってくるでしょう。

みんな幸せを求めて移住する?現代人の移住希望の実態とは?

現在の日本では、地方都市圏から大都市圏への人口流出が、地方の深刻な人口減少の原因になっています。一方で、著名人が地方に移り住み活躍を続けるケースや、建築家やデザイナー、アーティストなどが、地方の特産品や技術などに着目して、仕事の拠点にしているケースも多く見られます。

実際に移住を希望している人はどれくらいいるのでしょうか?全国15,000人を対象として、国内移住の傾向を調べたある調査では、日本人の4人に1人が移住を希望しており、約7%の人は1〜2年以内に移住を考えているという結果が出ています。

移住希望者の約3割は、東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の住民で、通勤圏内に暮らす人に移住の意向が強い傾向にあります。移住先の希望としては、4分の1は、仕事を求めて東京に移住したいと考えている地方の若者ですが、若者・中高年とも次に人気なのが沖縄です。

移住希望者が移住地域に求めるものは何でしょうか?前述の調査によると、国内移住の希望者は、安全に暮らせること、食や住居に困らないこと、よそ者、若者など多様な人を受け入れてくれること、人間関係が豊かなことが上位に入っています。人々とふれあいながら、自分らしく暮らせることを望んでいる人が多いようです。

一方、海外に移住したいと考えている人は、どんなメリットを求めて移住を考えるのでしょうか?物価の安い国で余裕のある生活を望む人や、自然の豊かな国でスローライフを夢見る人もいます。狭い日本での競争社会に閉塞感を感じている人も多いでしょう。

インターネットやテレビを通じて海外生活の様子を目にすることが多くなってきたことも、幅広い年代層が海外生活に興味を持つきっかけになっていると考えられます。

一昔前のように、生まれた土地で一生を終えることが当たり前ではなくなってきています。仕事に関しても、ひとつの会社にずっと勤め続ける人は少なくなり、会社や職種を変えることに抵抗がない人が増えています。そのような価値観やライフスタイルの多様化が、移住したいと考える人を増加させているのかもしれません。

人によって「幸せのかたち」が1つでないように、住む場所や仕事の選び方は一人ひとり違って当たり前かもしれません。どこに住んでもできる仕事があれば、好きな土地で自分らしくマイペースに暮らすことが可能になってきているのです。

さらに最近は、一か所に住むというより、海外と日本、地方と都心を行き来する人が増えています。そもそも、生活拠点に対する概念が大きく変化していることが、移住希望者の増加に影響していると言えるでしょう。

夢を叶えるため、仕事を得るために大都会に移住した人々が、ふと立ち止まって忙しすぎる日常を疑問に思い、自分のライフスタイルをリセットしたいと考える。家族との時間を大切にしたい、もっと自分らしく生きてみたい、幸せに暮らしたいと考えた結果が、移住という選択肢になってきているのかもしれません。

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