移住を考える際、一番悩むのが「どこに住むか?」ということでしょう。移住プランで大切なことは、目的を実現できる場所を選択することです。移住する目的がはっきりしていれば、住みたい場所は決まってきます。

農業がやってみたい人、豊かな自然環境で子育てをしたい人、定年後は夫婦で静かな生活を送りたいという人など、人によって移住の目的はさまざまですが、移住先の選択肢はいくつかあり、その選択が移住の成功を左右することになるでしょう。今回は、移住の目的やスタイルによる移住先の選び方について紹介したいと思います。

農業をやりたい、オーガニックな材料を使ったパン屋を開業したいなど、「夢の実現」が目的の場合、場所に対するこだわりはあまりないかもしれません。しかし、やりたいことの実現に向けて情報を集めるうちに、最適な移住先の候補は絞られてきます。

農業をやるにしても、育てる作物や就農スタイルによって、移住先に必要な条件は違ってきます。何カ所が現地に行ってみたり、自治体の支援情報を集めたりして、希望条件に合った土地を探してみましょう。たまたま農業体験をした土地で自分の目指す農業ができるのであれば、その場所で始めるのもいいかもしれません。

「夢の実現」が目的の移住は仕事と結びついていることが多く、移住先の生活の糧が確保されるため、成功につながることが多いと言えるでしょう。

「ずっと沖縄の海に憧れていた」「雄大な北海道の大地に住みたい」など、山や海など特定の場所に「ここに住みたい」という気持ちが強く、その場所に住むこと自体が移住の目的の場合は、その地で生活を支える仕事を見つけることが重要になってきます。

WEBデザイナー、カメラマンなどのクリエイティブ関連の職種や、医師、看護師、介護士など、資格があれば住む場所を選ばない職業の人は、比較的実現が簡単でしょう。そのような職業を持っていない人は、仕事をどうやって見つけるかが、移住実現へのハードルになってきます。

慌ただしく忙しい都会の生活を続けることに疑問を持ち、「自分らしい生き方って何だろう…」と理想のライフスタイルを模索し続けるうちに移住に行き着くケースもあります。

プライベートな時間が少ない会社員を辞めてフリーランスになる、都会では土地代が高くて実現できない店を持つ夢を地方でかなえる、子どもとの時間を大切にするために地方で仕事を探すなど、自分らしい生き方を実現する手段として、結果的に移住に至ったという場合です。

このケースの移住先は、全く縁もゆかりもない場所ではなく、自分やパートナーの実家がある地域などが多いようです。知人や友人の存在が移住先を決めるきっかけになることもあります。

いずれの場合でも、移住先を選ぶには目的をはっきりさせることが成功への第一歩です。慣れ親しんだ生活を変えるには、かなりの覚悟が必要です。

仕事のこと、家族のこと、友人のこと、自分の人生を全て変える決心が必要なのです。憧れだけでなんとなく移住すると、どんな場所でも失敗する可能性が大きくなるでしょう。