最近ワークライフバランスという言葉をよく聞きます。ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」という意味で、やりがいを持って仕事の責任を果たし、家庭や地域社会においても多様な生き方が実現できる生活ということです。

しかし実際、競争の激化した現代では難しいことではないでしょうか。行政の指導とは別に隠れ残業は慢性化しており、なんのためにこんなに働いているのか?なんのために生きているのか?そんな疑問を感じる人は多いでしょう。

自分らしいライフスタイルを求めて地方に移住するにしても、生活を支える基盤としての仕事は必要です。都会のようにすぐ再就職先が見つかるというものでもありません。今回は、移住先での仕事を探すポイントと、選択パターンをご紹介します。

「今の仕事を続ける」という選択肢が一番リスクの少ない方法と言えるでしょう。情報通信が発達した現代では場所を選ばない職種もあります。建築家、翻訳家、プログラマー、WEBデザイナーなど、クリエイティブ系の職業の人は、インターネット回線さえあれば、どこでも問題なく仕事ができます。

また、最近ではマイクロソフトのテレワークをはじめ、一般の企業でもワークライフバランスを考えた就業スタイルが推進されています。将来的に移住を考えているなら、今の仕事を続けられる方法を考えておくことも大切でしょう。

過疎化が進む農村で再就職先を見つけるのは容易ではありません。しかし、地方都市やその周辺では、求人募集をしている企業も一部ありますので、「移住先で就職先を見つける」という方法もあるでしょう。

ハローワークや地方自治体の就職支援を活用してみるのも一つの方法です。都会に比べると賃金や条件は低いものになるかもしれませんが、生活の基盤として一定収入があると安心です。

「移住先で起業にチャレンジする」という方法もありますが、移住前に十分な準備をしておかないと成功は難しいようです。新しい土地で新しい事業を立ち上げるには大きなリスクが伴うため、事前に技術を習得する、それまでの仕事の経験を活かした分野で起業を考えるなど、長い時間をかけて慎重に用意することが大切です。

おすすめなのが「複数の仕事を組み合わせる」方法です。インターネットを使って在宅の仕事をしている人は、比較的時間を自由に使うことができます。また、地元に就職する場合も、通勤時間などを考えると都会で働くより時間に余裕ができます。仕事の空いた時間に農業を始めれば、はじめは家庭菜園程度でも、次第に農業で収入を得ることもできるでしょう。

また、近年では第1次産業の事業者が加工・販売まで取り組む、第6次産業が注目されています。第6次産業は、従来第2次産業や第3次産業の事業者が得ていた利益を得て、農林水産業事業者の所得を向上させ、地域活性や雇用拡大を目指すもので、農林水産省が中心となって推進しています。

例えば、イチゴ農家としてイチゴを栽培し、ジャムなどの加工品にして道の駅で販売するなど、生産から販売まで一貫して行うことで、利益を拡大させる方法です。設備投資に費用はかかりますが、販売ルートを拡大できれば事業として成功に近づくはずです。1つの仕事だけでは収入面が不安な場合はぜひ考えてみたい選択肢です。