移住の人気が高まる中、生活が続けられなくなって、日本大使館に駆け込む日本人難民も増えているそうです。移住に失敗しないために、試しておきたいのが長期滞在です。実際に住んでみると旅行で訪れた時とは違うものが見えてくるからです。

通常日本人が海外に行く場合は、現地の気候が最も良いベストシーズンにツアーが組まれており、高級ホテルに滞在するというケースが多いので、快適に過ごせるのは当然かもしれません。

でも移住するとなるとずっとその国に住むわけですから、気候、文化、習慣、民族性などを知っておかないと戸惑うことも多いでしょう。1年を通して住んでみると、その国の様々な事情を知ることができ、自分に合っているかどうか分かってきます。今回は、お試し長期滞在をする際、簡単にビザが取得できる国をご紹介します。

最も長期滞在ビザが取得しやすいのはマレーシアです。観光を目的とした滞在なら、90日間以内はビザを必要としません。しかし、就労、留学、結婚など観光以外の目的で滞在する場合はビザが必要になります。

マレーシアは就労ビザで学歴を重視していないため、比較的取りやすいとされています。また、進出している日本企業も多いため、就職先さえ見つければ就労ビザを取得するのは簡単でしょう。

他にもマレーシアには、マイセカンドホームプログラムというリタイアメントビザがあります。50歳未満なら資産が1500万円、現地での定期預金が900万円、50歳以上では資産が900万円、定期預金が600万円で取得できます。パスポートの有効期間の10年間が、滞在可能期間となりますので更新は必要です。

フィリピンの観光滞在可能期間は、ビザなしで30日間、観光ビザで59日間と少し短いのですが、2種類の長期滞在可能ビザがあります。1つは預金額証明書などが必要ない条件の少ないロングステイビザです。フィリピンに家を所有していれば、出入国自由で1年間滞在できます。

もう1つは、リタイアメント用の特別永住権制度です。年齢やタイプによって金額は違いますが、指定銀行に162万〜400万円を6か月間以上預けることが条件です。

預金はビザを解除すると全額返金されます。リタイアメント制度としては珍しく、取得できる年齢が35歳からとなっており、預金額も比較的低めなので多くの外国人に人気です。

タイとインドネシアには、日本人のシニア世代に人気のリタイアメントビザがあります。タイは50歳以上で現地に210万円以上の預金を持っているか、1か月に17万円以上の年金収入を対象に1年の滞在が可能です。インドネシアは55歳以上で12万円程度の年金収入があれば、1年毎の更新で最大6年間の滞在が可能です。

5番目にビザが取得しやすいのはカナダです。カナダでは、観光を目的とする場合は6か月間滞在してもビザは不要です。また、滞在期間の切れる2か月前に申請すれば、1回につき6か月の延長が認められます。この延長は2回まで認められるので、最長1年半の滞在が可能になります。

現状ではこのように東南アジア諸国でビザが取得しやすい状況になっていますが、これらの国には条件を厳しくしていく動きがあります。また、経済政策も激変する可能性がありますので、情勢を見極めるためにも、事前の長期滞在が必要になってくるでしょう。